「エンディングノート、気にはなるけど…なんだかハードルが高い」
そんな気持ちを抱えている方、多いのではないでしょうか?
実は、子供に迷惑をかけないために必要なのは、ほんの5項目の暮らし情報だけなんです。
完璧を目指さず、今の暮らしの延長で“ちょっとしたメモ”を残しておくだけで、家族はとても助かります。
- エンディングノートで優先すべき最低限の項目
- 書き方に悩まないコツと記入例
- 1行から始められる書き方の工夫
- 家族と共有するための具体的な方法
エンディングノートで子供に迷惑をかけないための考え方
エンディングノートに挑戦しようと思っても、「書かなきゃいけないことが多すぎる」と感じて、手が止まってしまった経験はありませんか?
とくに子供に迷惑をかけたくないという思いが強い方ほど、「ちゃんと書かなくては」というプレッシャーを感じやすいようです。
でも実は、最低限の暮らし情報だけでも十分に家族の支えになります。
ここでは、「全部書かなくてもいい」と思える視点と、迷わないための優先順位についてご紹介します。
全部書こうとして手が止まる60代女性の心理と対策
エンディングノートは項目が多く、しかも普段はあまり考えない内容が多いため、「どこから書けばいいの?」と戸惑ってしまいます。
書きかけのまま、ノートを閉じてしまった方も少なくないのではないでしょうか。
大切なのは、完璧なノートを目指すことではなく、家族が必要な情報にすぐたどり着ける状態をつくることです。
そのためには、まず優先度の高い5つの項目だけに絞って、書けるところから手をつけてみましょう。

私も「全部書かないと意味がない」と思っていたのですが、娘に「まずは鍵のことだけでも助かるよ」と言われて、気がラクになりました。
最低限の暮らし情報だけでも家族が困らない理由
たとえば、あなたが旅行や入院などで家を数日空けたとき、家族が一番困るのは“今の生活の細かい情報”だったりします。
ゴミ出しのルールや電気の契約、Wi-Fiのパスワードやペットの世話など、意外と細かいことの積み重ねです。
こうした情報は、いざというときにすぐ分かる状態になっているだけで、家族は大きく助けられます。
- 生活に関わる情報はすぐに役立つ
- 完璧にしなくても“メモ1つ”で安心感につながる
- 手間をかけなくても、少しずつ書き足せばよい
子供にとっての負担を減らすためにも、「これだけ書いておけば大丈夫」という気持ちで、最初の一歩を踏み出してみてください。
子供に迷惑をかけないためにエンディングノートで最低限書くべき5つの項目

エンディングノートをすべて埋めるのは大変ですが、実は5つの項目だけ書いておくだけでも、家族の負担は大きく減ります。
ここでは、私自身の体験や娘との会話から、「ここは押さえておいてよかった」と実感した内容をご紹介します。
迷ったときは、この5つだけを意識してみてください。
1. 自宅や生活に関する基本情報(住所や連絡先)
まず最初に書いておきたいのが、自宅の住所や電話番号などの基本情報です。
家族にとっては当たり前の情報でも、離れて暮らしている場合や急な対応が必要なときには意外と困ることがあります。
固定電話がある場合や、地域の回覧板、近所づきあいなどもひとことメモしておくと安心です。

私は自治会の会費をいつ払っているかなども書いておいたら、「そういう情報って意外と大事なんだね」と娘に言われました。
2. 鍵やWi-Fiなど家の管理に必要な情報
次に大事なのが、家の出入りや通信環境に関する情報です。
玄関や倉庫の合鍵の場所、Wi-Fiのパスワード、ブレーカーの位置など、書いておくと安心な内容は意外と多いです。
これらは「暮らしの中で困ること」の上位に来るので、優先的にメモしておきましょう。
- 玄関の合鍵はキッチン棚の右側
- Wi-Fiパスワードはルーターの裏に書いてある(SSID:〇〇)
- 電気の契約は○○電力/ブレーカーは洗面所上
数行でも書き残しておくと、大きな安心につながります。
家の管理情報をスムーズにまとめる方法についてはこちらで紹介しています。
こうした情報は「たった数行」でも、大きな安心につながります。
3. 銀行口座や支払いなどお金に関わる情報
明細や金額まで詳しく書く必要はありませんが、使っている金融機関や毎月の支払いの種類など、家族が気づきにくい情報はメモしておきましょう。
たとえば、口座がある銀行名や、公共料金の引き落とし先、よく使うキャッシュレスサービスなど。
一覧にしておくだけでも、手続きのきっかけになります。

私は「〇〇銀行に生活費口座、△△カードで水道代」とだけメモしましたが、娘にはそれで十分だったようです。
4. 医療や保険の連絡先や加入状況
健康に関する情報も最低限は共有しておきたいところです。
かかりつけの病院やよく使う薬局の名前、保険証の保管場所、加入している保険会社名などをメモしておくと、いざという時にスムーズです。
ただし、詳細な病歴や難しい内容は空欄でも大丈夫。
書けるところだけで十分役に立ちます。
5. ペットや持ち物など家族が対応に困る項目
ペットがいる方は、かかりつけの動物病院や毎日のごはんについてメモしておくと安心です。
また、仏壇の手入れや思い出の品、普段あまり触れられたくない持ち物なども一言添えておくと、家族が迷わずに対応できます。
暮らしに関する小さな情報の積み重ねが、子供にとっての“道しるべ”になります。
エンディングノートの最低限項目をラクに書くための工夫と記入例
「何を書けばいいかは分かったけれど、それでもやっぱり書き出すのが億劫…」
そんなときは、書き方そのものを軽くしてみるのがおすすめです。
ここでは、60代の私自身が実践している「気軽に続けるコツ」を3つご紹介します。
どれも少しの工夫で始められるものばかりです。
見られたくない情報は空欄にしてもOKという考え方
まず最初にお伝えしたいのは、「すべてを書かなくてもいい」ということです。
たとえば、家族にあまり見られたくない気持ちの部分や、うまく言葉にできない内容などは、空欄のままでも問題ありません。
伝えやすいところだけ書いておけば、それだけでも十分役に立ちます。
ノートに「ここは今は未記入」などと書いておくと、見る側も戸惑わずにすみます。
「空欄のままでもいい」と思えると、書くことへのハードルが下がります。
さらに気楽に進めるための手順やコツについてはこちらの記事をご覧ください。

私は「この部分は後日書きます」とメモを残しました。無理に書かなくてもいいと決めたことで、続けやすくなりました。
1行メモや箇条書きで簡単に書ける記入例の工夫
ノートに丁寧な文章で書こうとすると、時間も気力も必要になります。
そんなときは、1行メモや箇条書きにしてしまえば、ぐっとハードルが下がります。
「冷蔵庫のストック:左上に麦茶」「通院:毎月第2水曜 近くの○○クリニック」など、伝わればそれでOKです。
- 鍵の場所:玄関左側の引き出し
- Wi-Fi:SSID○○/パスワードはルーター裏
- ペット:朝晩にドライフード1/2カップ
文章ではなく「暮らしのメモ帳」と考えると、気軽に手が動きます。
紙とデジタルを組み合わせて分散管理する方法
紙のノートだけでなく、スマホのメモアプリやパソコンのファイルも併用することで、管理がもっとラクになります。
たとえば、日々の買い物メモはスマホ、鍵や連絡先などすぐ見たい情報は紙で……というように使い分けると便利です。
「すべてを1冊にまとめなければいけない」という思い込みを手放すことで、続けやすさが一気に変わります。

私は「メモアプリには支払い関係」「紙のノートには暮らし情報」と分けて管理しています。無理なく続けられていますよ。
エンディングノートを家族と共有して子供が迷わない状態を作る方法

せっかくエンディングノートを書いたのに、
「どこに置いたか分からない」
「内容が伝わっていなかった」
では意味がありませんよね。
ここでは、子供が迷わないようにするための共有のコツや、家族と一緒に見直す工夫をご紹介します。
大事なのは“書くこと”よりも“伝わること”です。
渡し方や保管場所を決めておくと子供が安心できる
ノートを書き終えたら、どこに置いてあるかを家族に伝えておくことが大切です。
書斎の引き出し、寝室の棚、あるいはキッチンのファイルボックスなど、普段から目にする場所だとより安心です。
また、封筒に入れて「暮らしメモ」とラベリングしておくと、他の書類に埋もれる心配もありません。

私は、紙のノートを「引き出しの2段目にあるよ」と娘に一言だけ伝えました。それだけでも気持ちが落ち着きました。
娘や息子と一緒に確認して内容をアップデートする工夫
暮らしの情報は、時間が経つと変わってしまうこともありますよね。
たとえばWi-Fiのパスワードを変えたり、契約サービスを見直したり。
そういったときに便利なのが、家族と一緒に見直す習慣です。
「久しぶりに確認しておこうか」と声をかけて、1〜2項目だけでも一緒にアップデートしておくと安心です。
- 帰省のタイミングに「ちょっと確認だけ」と軽く話す
- 内容は1〜2項目だけに絞って負担を減らす
- 更新した日付を書き添えると次回も分かりやすい
一緒に見直すことで、家族も「ちゃんと受け取ってるよ」という気持ちを伝えられます。
まとめ:60代女性はエンディングノートに最低限5つの項目を書くだけで十分
エンディングノートというと「しっかり書かなくちゃ」と思いがちですが、実際に家族が必要とするのは、ほんの数項目だけだったりします。
60代から始めるなら、まずは暮らしに関する5つの情報だけを、できる範囲でまとめておくだけで十分です。
そこに思いやりが込められていれば、それだけで立派なエンディングノートになります。
まず暮らし情報を1行書くことが家族の安心につながる
「何から書けばいいかわからない」と迷っている方こそ、まずは家のこと1つをメモしてみてください。
鍵の場所、ゴミの日、Wi-Fiの設定…どれか1つでも、家族にとっては本当に助かる情報です。
1行書くことで、書くことへのハードルが下がり、少しずつ内容が増えていきます。

私は最初、鍵の置き場所だけを書いたのですが、それだけでも「ありがとう」と言われて、気持ちが軽くなりました。
完璧を目指さずできるところから始めることが長続きの秘訣
エンディングノートは、一度にすべて書こうとすると疲れてしまいます。
空欄があってもいい、自分のペースでいいと割り切ることで、気持ちもラクになり、続けやすくなります。
ノートというより「暮らしメモ」として、気づいたことをコツコツ残していくのが長続きのコツです。
- 「暮らしの中で娘に聞かれそうなこと」を思い浮かべてみる
- ノートに書けないなら、メモアプリに1行だけでもOK
- 「いつか見せる」ではなく、「今伝えておく」と気がラク
あなたが書き残したその1行が、家族の迷いや不安を減らす大切なヒントになります。
まずは、できることから1つずつ。あなたらしい方法で、暮らしメモを始めてみませんか?