終活って、どこから始めればいいの?
そう迷っているうちに、気づけば65歳。
でも「まだ元気な今だからこそ、一気に進められる」と気づき、私は本格的な終活に取り組みました。
財産整理や書類の一括管理、契約の見直しなど、やることは多いようで、実は「順番」と「タイミング」が大切。
この記事では、60代が終活にベストな理由と、90日で終えるための実践例をお届けします。
- 65歳から90日で終活を完了できた理由
- 60代に最適な終活10タスクと進め方
- 通帳・保険・契約見直しの整理ステップ
- 家族に感謝される書類管理とエンディングノート術
65歳母が60代終活やることリストを90日で完了した理由?
「定年後にゆっくりやろう」と思っていた終活。
でも実際には、あっという間に65歳になっていました。
体調も良く、時間の余裕もできたこのタイミングで、私は本格的な終活に取り組むことに決めました。
結果として、約3ヶ月(90日)で主要なタスクをすべて完了することができました。
その理由は、判断力と体力がしっかりしているうちに一気に進めたからです。
判断力体力がある今だから短期間で済む
書類の整理、通帳の統合、保険の見直し。
ひとつひとつはそれほど大変ではありませんが、数が多いと意外と手間がかかります。
でも60代の今なら、迷わず判断し、外出手続きも苦にならずこなせます。
70代になってからやるのは、体力的にも気持ち的にももっと負担になると思いました。

60代は「まだ早い」ではなく「ちょうどいい」。それが終活に取り組んでみてわかった正直な感想です。
契約整理で年間固定費を12%削減した実例
まず取りかかったのが、不要な契約やサービスの見直しでした。
見直したのは、以下のようなものです。
- 使っていないサブスク(月額動画・音楽配信)
- 古い保険契約(内容が重複していた)
- 固定電話と携帯の通信プラン
これだけで、年間約5万円の節約になりました。
契約内容を「棚卸し」するだけでも、思わぬ効果があると実感しました。
子供が感謝した書類一括管理術
終活を進める中で、「これを娘に全部託すのは大変だな」と感じる書類がたくさんありました。
そこで私は、「重要書類ファイル」を1冊用意し、以下の内容を一括で管理することにしました。
- 戸籍謄本・保険証券・年金情報のコピー
- 通帳・印鑑の保管場所メモ
- エンディングノートの抜粋
- 相続関連メモ(財産分配の意向)
完成したあと、娘に「これだけ揃っていると、本当に助かる」と言われ、やってよかったと思えました。
終活は「自分のため」でありながら、「家族へのプレゼント」にもなるのです。
終活優先順位を可視化する90日ロードマップ
終活に取り組もうと決めても、「何から手をつけたらいいかわからない」と感じる方は多いと思います。
私も最初はそうでした。
でも、90日間のタスクスケジュールを立てたことで、自然と優先順位が見えてきました。

終活の全体像を把握し、無理なく進めるには「計画」が一番の味方になります。
1‑2週目:財産棚卸しと重要書類スキャン
まず最初に行ったのは、資産の棚卸しです。
銀行口座、保険、株、不動産、年金の状況などをリスト化しました。
同時に、重要書類(保険証券や年金通知書)のスキャンを行い、クラウドに保管。
紙とデジタルの両方で管理することで、安心感が格段に上がりました。
財産情報の整理をもっと詳しく知りたい方は、見える化の具体的な手順を紹介したこちらの記事もご覧ください。

「まず棚卸しから始めよう」と決めたことで、後のすべての作業がスムーズになりました。
3‑4週目:保険年金契約を整理解約手続き
2週目には、見直した保険や年金関連の契約について、不要なものを解約しました。
特に見直したのは、以下のような項目です。
- 加入時期が古く、内容が重複していた保険
- 小口の個人年金(将来的な給付が不明確)
- よくわからないまま継続していた共済
手続きは電話と郵送で完了。
この段階で、不要な支出が大きくカットできました。
5‑8週目:断捨離とデジタル遺産情報整理
5週目以降は、身の回りの物の断捨離に着手。
洋服・食器・雑貨などを中心に、必要な物だけを残す方針で整理を進めました。
同時に、スマホやパソコン内のデジタル遺産(パスワード・SNSアカウント)も見直し。
Googleアカウントの「アカウント無効化管理ツール」も設定しました。
9‑12週目:医療介護希望とエンディングノート
終盤には、エンディングノートの記入と、医療・介護に関する希望の明文化を行いました。
以下のような内容を中心に記録しました。
- 延命治療を希望するかどうか
- 入院時にお願いしたい病院
- 介護が必要になった場合の希望する場所
- 葬儀の希望(家族葬、音楽など)
自分の想いを言葉にするのは勇気がいりますが、書いてみると心が落ち着きました。
- 前半に「情報の整理」、後半に「意思の記録」
- タスクを分けて週ごとに予定を組む
- 終わったタスクはチェックを入れて達成感を得る
計画的に進めることで、「終活」が“心の整理”にもつながっていきます。
60代、元気なうちにやるべき終活10タスク
終活は「やることが多すぎて手につかない」と思われがちですが、実は取り組むべき項目は限られています。
私が60代のうちに取り組んだ、厳選された10のタスクをご紹介します。
どれも実際にやってよかったと感じた、現実的で効果の高い内容です。
①財産目録 ②保険年金整理 ③銀行ネット口座統合
まずは「お金に関する情報整理」から着手しました。
- 保険・年金:契約書を確認し、重複や無駄な保険を解約
- 財産目録:通帳、証券、不動産の一覧表を作成
- 銀行・ネット口座:使っていないネットバンクを解約、3口座に集約

保険と口座の整理を同時に進めたことで、経済状況の「見える化」が進みました。
④持ち物リスト ⑤断捨離 ⑥医療介護希望記入
次に取り組んだのが、「物」と「健康」に関することです。
- 持ち物リスト:大切な物・高額品・処分希望の物をリスト化
- 断捨離:衣類・食器・書類を中心に処分
- 医療介護の希望:エンディングノートに治療方針や希望病院を記載
将来、判断できなくなったときのためにも、医療や介護の希望を残すことは非常に大切です。
⑦葬儀供養意向 ⑧終活ノート ⑨感謝メッセージ
後半は「気持ちを残す」作業に移っていきました。
- 葬儀・供養の意向:宗派、希望する葬儀の形、納骨方法
- 終活ノート作成:全体のまとめと重要情報の一括記録
- 感謝のメッセージ:家族へ手紙を用意。まだ渡していませんが、心が落ち着きました。
「何を大事にしていたのか」を残すことで、家族も迷わず行動できます。
⑩身元保証、亡くなった後の事務委任契約、任意後見契約と家族信託
最後に行ったのが、身元保証と亡くなった後の事務委任、任意後見契約・家族信託です。
家族が遠方にいるため、身元保証と亡くなった後の事務委任は法人保証サービスを選びました。
契約内容には、入院保証・葬儀・遺品整理・納骨までを含め、月々のサポート体制も整っています。
そして、認知症になった場合に備え、司法書士と任意後見契約、娘と家族信託契約を結びました。
身元保証や亡くなった後の事務契約の内容を詳しく知りたい方は、法人保証の選び方を解説したこちらの記事もご確認ください。
以下は60代でやるべき終活10タスクのまとめです。

「これだけやれば大丈夫」と思えるリストがあると、気持ちがぐんと前向きになります。
契約整理と見直しを進める3ステップ
終活の中でも、意外と時間がかかるのが「契約の見直し」です。
私は、光熱費・通信・保険・サブスクなど、毎月引き落とされている契約をすべて洗い出すところから始めました。
ここでは、私が実際に行った契約整理の3ステップをご紹介します。
このステップを踏むだけで、年間の出費を大幅に抑えられました。
契約書類をテーブルに並べ重複確認
まずは、保険・共済・カード明細・通信契約など、関係する書類をすべて出して、テーブルに並べました。
重複していたのは以下のようなケースです。
- 終身保険と医療保険で、同じ保障が重複
- カード付帯の保険と別契約の旅行保険
- 使っていないサブスク(雑誌・音楽・動画)

一気に書類を並べると、「こんなの契約してた?」と驚くことがいくつも出てきました。
不要サービスを電話とWEBで即解約
見直しが終わったら、その日のうちに解約手続きを始めました。
電話がつながりにくい会社もありましたが、公式サイトやチャットを使えばスムーズに解約できることも多かったです。
この作業は「面倒」と感じがちですが、1契約あたり5分程度で完了するものも多く、思ったより苦になりませんでした。
更新日と解約違約金を一覧表に記録
今後また同じことを繰り返さないように、契約内容・更新日・違約金の有無を一覧表にまとめました。
- 契約名:○○生命終身保険
- 契約内容:保障内容・更新タイミング
- 更新日:2026年4月
- 解約金:発生なし
- 備考:娘にも内容共有済み
これを終活ノートに差し込んでおけば、本人が管理できなくなった後も家族が安心して対応できます。
契約の「見える化」は、お金の整理にも気持ちの整理にもつながります。
私の60代終活スケジュールと家族のリアルな反応
終活というと「孤独で重たい作業」のように感じるかもしれません。
でも私の場合、計画的に進めたことでむしろ前向きな気持ちになれたのが正直な感想です。
ここでは、実際に終活にかかった時間と、それを知った家族の反応についてお話しします。
完了までにかかった総作業時間60時間
終活といっても、毎日取り組んだわけではありません。
1日1〜2時間、週に2〜3日ペースで進めていき、全体で約60時間かかりました。
タスク | かかった時間 |
---|---|
書類整理と棚卸し | 10時間 |
契約の見直し・解約 | 8時間 |
断捨離・デジタル整理 | 24時間 |
エンディングノート記入 | 6時間 |
法人保証契約などの手続き | 12時間 |

「3ヶ月弱でこれだけできるんだ」と、自分でも少し驚きました。集中してやれば意外と進みます。
娘から届いた感謝LINEと安心コメント
終活の内容を娘に共有したのは、全体がひと通り終わってからでした。
メールで「終活ノートを作ったよ。大事な情報はここにあるからね」と送ったところ、数時間後にこんなLINEが届きました。
「お母さん、すごい…!私が何かあったときに困らないようにって考えてくれてたんだね。
そんなふうに準備してくれて本当にありがとう。
見せてもらって安心したよ。何かあったら、すぐ動けるようにしておくね!」
普段は照れくさくて言えない感謝の言葉が、終活をきっかけにもらえたことが何よりうれしかったです。
終活は、自分の人生を整理することだけでなく、家族との信頼と安心を育むきっかけにもなります。
まとめ:今日が一番若い日チェックリストで今すぐ着手
「終活はまだ早い」と思っていた私も、60代の今だからこそできることがたくさんあると気づきました。
判断力・体力・時間のある“今”が、終活に最適なタイミングなのです。
少しずつ手をつけていくことで、心にも生活にも余裕が生まれます。
この記事を読んで「自分にもできそう」と思っていただけたなら、今すぐチェックリストから始めてみてください。
10タスクチェックシート活用
この記事でご紹介した10の終活タスクのまとめリストを、1つずつ進めていけばOK。
- 表にして「完了日」を書き込む
- 毎週1つ実行を目標にする
- 家族と共有しながら進める

私はタスクごとに日付を書き入れて、「できた!」を積み重ねていくことで気持ちが前向きになれました。
半年ごとの見直しリマインド設定
終活は「一度やれば終わり」ではありません。
私自身も、半年ごとにスケジュール帳に“終活見直し”の予定を入れています。
保険の更新、資産の変動、家族構成の変化など、小さな見直しが大切です。
半年ごとの見直しで、常に「最新の私の意志」を保てるようになりました。
未来の安心は、今日のひと手間から。始めるなら“今日”が一番若い日です。
この記事のまとめと、60代のあなたへ伝えたいこと
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この記事では、元気な60代だからこそ進められる終活について、私の実体験をもとにご紹介してきました。
- 将来の自分への安心(判断力・体力がある今に整理)
- 家族への安心(情報を残すことで負担軽減)
- 暮らしへの安心(無駄を省き、心地よく生きられる)
振り返ってみて、やってよかったと思えることはたくさんあります。
でも、何よりも「やっておいてよかった」と心から思えたのは、自分も家族も安心できたことでした。
終活は「人生の終わりの準備」ではなく、「これからの暮らしをより豊かにするための整え」なのです。
チェックリストを使って、一つずつ確実に進めるだけで、気持ちはどんどん軽くなっていきます。
「まだ早いかも」と思った今が、実は一番の始めどき。

私は、60代の今だからこそ向き合えて、前よりも自分の人生を愛おしく感じるようになりました。
ぜひ、この記事をきっかけに、あなたらしい終活の一歩を踏み出してみてください。
準備することは、自分らしく生きることにつながっています。