エンディングノートを書こうと思ったけれど、ページを開いたまま止まってしまった…。
そんな経験はありませんか?
「全部埋めなきゃ」という思い込みが、かえって書く気持ちを遠ざけているかもしれません。
実は、日常のちょっとしたメモだけでも、家族には十分助けになります。
このページでは、エンディングノートを「空欄OK・後回しOK」で書き進める方法と、私自身が試してよかった3つのステップをご紹介します。
エンディングノートが空欄だらけになってしまう理由と解決の考え方
エンディングノートに挑戦しようとしたけれど、最初のページで手が止まってしまったという声はよく聞きます。
書けない理由があるとすれば、それは「真面目な人ほど完璧を目指してしまう」からかもしれません。

ここでは、エンディングノートが空欄だらけになる背景と、それでも大丈夫だと思える考え方をご紹介します。
完璧に埋めないといけないという思い込みが作業を止める
市販のノートを開くと、何十項目も細かく書かれていて圧倒されてしまいます。
「全部書かないと意味がない」
「空欄があると不完全」
と思ってしまうと、最初の一歩が踏み出せません。
でも実際は、書いたところまででも十分に家族の手助けになります。
エンディングノートは“完成させる”ことが目的ではなく、“情報を伝える”ことが目的です。

私も最初は空欄ばかりで落ち込みましたが、娘に見せたら「このWi-Fiの欄だけでも助かる」と言ってもらえました。
専門的な項目が多く心理的ハードルが高いことが原因
エンディングノートには「医療についての希望」や「手続き関連」など、考え慣れていないテーマが多く登場します。
これらの内容は日頃から意識していないと答えを出すのが難しく、結果的に書けずに止まってしまうのです。
けれども、日常生活に関すること、たとえば、
「冷蔵庫に何が入っているか」
「宅配の置き配のルール」などは、
思い出しながらスムーズに書ける場合も多いです。
書きやすい暮らし情報から始めて、自分のペースで気が向いたときに項目を増やしていくスタイルがおすすめです。
手が止まりやすい項目は、あとで家族と相談したり、必要になったときに考えるという方法で十分です。
暮らし情報のメモを優先すれば、家族はすぐに助かりますし、本人にとっても達成感が得られやすいです。
書きやすいところから書くという柔軟さこそが、エンディングノートを続けられるコツです。
空欄OKで書けるところだけ書くライト版エンディングノートの特徴
エンディングノートというと、少し身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、もっと気軽に始められる形として「ライト版」のエンディングノートがあります。
暮らし情報に特化し、空欄のままでもOKなこのスタイルは、取りかかりやすさが魅力です。
暮らし情報に特化することで心理的負担を減らせる
ライト版エンディングノートの一番の特徴は、内容が日常生活に絞られていることです。
たとえば、
- 掃除機の収納場所
- ゴミ出しの曜日
- よく使う宅配サービスのID
など、家族が日々の生活で困りそうなことをメモしていくだけでOKです。
専門的なテーマがないので、身近なことから自然と書けるのがポイントです。
心理的ハードルが下がることで、「やってみようかな」という気持ちが湧きやすくなります。

私は冷蔵庫のメモから始めましたが、想像以上に「自分の暮らしって人に伝えると役立つんだな」と感じました。
空欄のままでも進められる安心感が得られるメリット
ライト版では「空欄があってもいい」という前提で作られているため、途中で止まっても気にせず続けられます。
3分空いたときに1行だけ書くというように、少しずつの積み重ねが自然にできます。
しかも、どこから書いてもいいので、気が向いた項目だけを選んで書くのも大丈夫。
この柔軟さが、「やらなきゃ」というプレッシャーから解放してくれるのです。
- 空欄があってもOKな仕組みなので気軽に始められる
- 暮らし情報だけで構成されているため、思いついたときに書ける
- 自分のタイミングで見直したり追加したりしやすい
書きながら少しずつ整えていくという考え方で、長く続けていけるのがライト版の良さです。
ライト版エンディングノートの始め方|簡単に書く3つのステップ

「ライト版なら気軽に始められそう」と思っても、実際にどうやって書き始めたらよいか迷ってしまう方もいるかもしれません。
ここでは、私自身も実践している、暮らし情報に特化したエンディングノートの始め方を3つのステップでご紹介します。
どれも今すぐ始められる小さな行動です。
家族が困らない暮らし情報から1行だけ書き始める
まずは、「自分がいないと家族が困りそうなこと」をひとつだけ思い浮かべてみてください。
たとえば、Wi-Fiのパスワードやかかりつけのお店の名前など、日常の中でふと「これ、知らないと困るかも」と感じる情報です。
その情報を、ノートのすみに1行だけ書くことからスタートしてみましょう。
たった1行のメモでも、家族にとっては大きな手がかりになります。

私は旅行先から娘にWi-Fiのことで連絡が来たのがきっかけでした。「ノートに書いておけばよかった」と痛感したんです。
ペットや植物の世話に関する情報も家族には重要です。
どう残せば伝わりやすいかを知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
すぐに実践できるメモ例も紹介しています。
3分ルールを使って少しずつ書き足す習慣を作る
ノートを書くときに大事なのは、「続けること」です。
でも、時間を取るのは難しいし、何を書けばいいか迷ってしまうこともあります。
そんなときに役立つのが「3分ルール」です。
紅茶を蒸らしている間や、テレビのCM中など、ちょっとしたスキマ時間に1項目だけ書くというルールです。
- 時間をかけずに取り組めるので習慣になりやすい
- 「1行だけでOK」と決めることで気がラクになる
- ちょっとした時間を活用できるので無理がない
習慣になれば、自然とノートの中身が充実していきます。
デジタルや紙など自分が続けやすい形式を選んで記録する
エンディングノートというと紙のイメージがあるかもしれませんが、スマホのメモアプリやノートアプリでも構いません。
大事なのは「自分が続けやすい方法を選ぶこと」です。
私は外ではスマホ、家では紙のノートというように、使い分けるようにしています。
書くことそのものよりも、「どこにまとめるか」を決めておくと、あとで家族が見つけやすくなります。

私は最初、紙とスマホで迷いましたが、スマホは検索しやすいので買い物メモ感覚で書くようになりました。
エンディングノートを家族と共有する方法|安心して渡せる工夫
エンディングノートを書いた後に意外と悩むのが、「どのタイミングで家族に見せるか」という点です。
内容が個人的なものだからこそ、全部を見せるのはちょっと恥ずかしいと感じることもありますよね。
ここでは、自分のペースで、家族が安心できるようにノートを共有する方法をご紹介します。
見せるタイミングを決めて必要な範囲だけ共有する
まず意識しておきたいのは、「すべてを一度に見せる必要はない」ということです。
たとえば、旅行に行く前や季節の変わり目など、何かのタイミングに合わせて一部だけ渡すと自然です。
Wi-Fiパスワードや鍵の場所など、生活に直結する情報だけを共有するだけでも十分役に立ちます。
最初は一部だけ共有して、少しずつ増やしていくのが安心して渡せるコツです。

私は娘が帰省したときに「ここに暮らしのメモあるからね」と一言添えて渡しました。全部見せなくても気持ちは伝わりました。
自然に切り出すためのフレーズや事例もあります。
どう伝えたらいいか迷う方はこちらの記事を参考にしてみてください。
家族に安心して受け止めてもらえるはずです。
娘や息子と話しながら情報を補足してもらう方法
ノートに書きながら気づくのは、「これは私より家族の方が詳しいかも」という情報があることです。
たとえば、よく使うアプリの設定や、ネットの契約情報などは、子どもの方が詳しいこともありますよね。
そういった情報は、一緒に話しながらメモを埋めていくと、自然に会話が生まれて、記録もスムーズに進みます。
話しながら埋めることで、ノートが「一方通行の書き物」ではなく「共有のツール」に変わります。
- 「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」と軽く話しかける
- 1項目だけ一緒に確認してもらうところから始める
- 「これってこうだったよね?」と家族の記憶も頼りにする
会話の中で出てきた内容は、あとから簡単なメモとして追記しておくだけでも十分です。
まとめ:エンディングノートは空欄だらけでも書けるところから始めよう
ここまで、空欄があっても大丈夫なエンディングノートの考え方と、気軽に始めるための具体的な方法をご紹介してきました。
「全部書かなくては」と思い込まずに、自分にとって無理のない範囲から取り組んでみましょう。
続けることで、自然とノートが充実していきます。
できるところから書くことが続けるための最大のコツ
完璧なノートを目指すのではなく、1行だけでも誰かの役に立つことを意識すると、筆が進みやすくなります。
実際に書き始めてみると、「あれも書いておこう」「これも伝えておこう」と、自然に情報が増えていくものです。
続けるコツは、できたところに目を向けて、自分を褒めてあげることです。

私も最初は3項目だけでしたが、それを娘が見て「これだけでもすごく助かる」と言ってくれたのが励みになりました。
暮らしメモの積み重ねが家族の安心と自分の安心につながる
日常の情報をメモしておくことは、いざという時に家族を助けるだけでなく、自分自身の安心感にもつながります。
ノートにまとめておくことで、「私は伝える準備ができている」という心の余裕が生まれるからです。
暮らしメモは、家族に対する思いやりのカタチであり、自分にとっての安心の積み重ねです。
- 書くテーマは難しく考えず、家族が知らないかもしれないことを中心に
- 空欄はあって当然と考え、書けるところだけに集中する
- 見せ方や渡し方も、自分の気持ちが落ち着いているタイミングで
エンディングノートは、人生を締めくくるためのものではなく、今を心地よく生きるための暮らしの道具として活用していきましょう。