「紙の書類は整理できたけど、スマホやネットのことは手つかずのまま…。」
そんな不安を抱えている60代の方は多いのではないでしょうか。
スマホ、SNS、写真データなどのデジタル情報も“終活”の対象として考える時代になりました。
この記事では、私(65歳)が実際に経験したデジタル終活の失敗と気づきをもとに、誰でも取り組める「デジタル終活の基本ステップ」をわかりやすくご紹介します。
スマホやSNSの整理は、今を便利に過ごすだけでなく、将来子供に迷惑をかけないための思いやりでもあります。
「難しそう…」と感じる方こそ、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。
65歳が放置SNS削除で気付いたデジタル終活の衝撃!
私(65歳)は、若い頃に始めたSNSアカウントをいくつか放置していました。
しかしある日、それがきっかけで家族との間にちょっとした誤解が生まれたのです。
デジタル終活の必要性を痛感した出来事でした。
5年前の投稿が残るSNSアカウントが家族に与える印象
ある日、娘が偶然発見したのは、Facebookに残っていた私の古い投稿でした。
5年前の病気のことや当時の心情が赤裸々に綴られており、娘は驚いたようですが、本人はすっかり忘れていました。
意図せず公開されたままの情報が、家族に不安や誤解を与えるリスクがあることを実感しました。

もう使ってないから関係ないと思っていました。でも実際は、誰でも見られる状態で残っていたんです。
終活で見えた60代デジタル遺品整理の盲点
この出来事をきっかけに、SNSアカウントの整理を始めました。
すると、ログインできないアカウントや登録メールが使えない状態のものが次々と発見され、手続きに想像以上の時間がかかりました。
また、スマホの中にSNSの通知が多数残っていて、何が重要な情報かわからなくなっていたことも判明。
- 放置されたSNSアカウントの存在
- ログイン情報の不明・連絡先メールが使用できない
- 家族が削除・手続きに苦労するリスク
デジタル遺品は、紙の遺品と違って「見えない」ぶんだけ厄介です。
今のうちに自分の手で整理しておくことが、子どもへの思いやりにつながるのだと母も納得してくれました。
Step1:SNSアカウント削除整理5手順で高齢者でも迷わない
SNSの整理は、「退会」「設定変更」「アーカイブ保存」などやることが多そうに見えますが、5つのステップに分けることで迷わず進められます。
ここでは高齢者にもわかりやすく、SNSアカウント整理の具体的な方法を解説します。
Facebook追悼設定と完全削除の選択基準
Facebookでは、アカウントを残しておく「追悼アカウント設定」と、完全に削除する方法のどちらかを選べます。
追悼アカウントは、家族や友人が思い出として残したい場合に有効。
完全削除を希望する場合は、設定画面から「アカウント所有者死亡時の処理」→「削除を希望する」を選択します。

母は「見られたくない内容もある」と言って削除を選びました。公開範囲の見直しも大切だと感じました。
X旧Twitter削除前にダウンロードするアーカイブ
X(旧Twitter)では、削除前にアーカイブをダウンロードできます。
「設定とプライバシー」→「アカウント」→「アーカイブをダウンロード」から、過去のツイートやDMを保存可能です。
思い出として残したい投稿がある場合は、必ず事前にバックアップしておきましょう。
Instagram・LINE退会手順と連絡先整理のコツ
Instagramは「設定」→「アカウントセンター」→「アカウント削除」から。
LINEは単にアンインストールするだけでは不十分で、「設定」→「アカウント」→「アカウント削除」を行う必要があります。
また、退会前に連絡先や大切なトーク履歴のバックアップを忘れずに。
- 利用中のSNSをリストアップ
- 削除か保存か方針を決める
- 必要ならアーカイブを保存
- 退会手続き+設定の見直し
- エンディングノートに記録
「もう使ってないから放っておく」はNG。整理は“今の自分の意志”で行うのが安心につながります
Step2:スマホ写真10000枚を1日で整理した私の3ステップ
スマホの中に眠る大量の写真、気になっていてもなかなか手がつけられないですよね。
私も以前はそうでしたが、たった1日で約10000枚の写真を整理することができました。
ここでは、誰でも実践できる写真整理の3ステップを紹介します。
連写・ブレ・重複一括削除で容量2GB削減
まず取り組んだのは、明らかに不要な写真を一括で削除すること。
ブレた写真、連写の失敗作、同じような構図の連続写真は、見直すだけでもかなりの量になります。
私は専用アプリ「Photo Cleaner」でワンタップで500枚以上削除でき、ストレージが一気に2GB空きました。

見返しても「これはいらない」と思える写真が予想以上に多かったです。やってみると、意外とスッキリ気持ちいいですよ。
旅行別アルバム分類とイベント命名ルール
次に行ったのは、写真を「アルバム」に分ける作業です。
旅行や行事ごとにまとめるだけで、後から見返すときの楽しさも違います。
私は「2023年_春_箱根旅行」や「孫誕生日_2024年5月」など、日付+内容でアルバム名を付けるようにしました。
クラウドと外付けHDD二重バックアップで安心確保
整理が終わった写真は、クラウド(Googleフォト)と外付けHDDに保存しました。
これでスマホをなくしても、データが安全に残る安心感があります。
クラウドの無料容量は限られているため、定期的な移行とHDD保管が大切です。
- 不要写真(ブレ・連写・重複)を一括削除
- 旅行や行事ごとにアルバム分け
- クラウド+HDDで二重にバックアップ
写真整理は「今の思い出を未来に残す」大切な作業。終活というより、宝物を磨く感覚でした。
Step3:家族が困らないログイン情報共有と引き継ぎ工夫
デジタル終活の中でも特に重要なのが、ログイン情報の整理と家族への共有です。
スマホやSNSだけでなく、銀行、保険、ショッピングサイトなどの情報もスマホの中に集約されている現代。
家族が「何がどこにあるかわからない」と困らないように、早めの対策が必要です。
パスワードマネージャ共有キーを紙とUSBで保管
私は無料のパスワード管理アプリ(Bitwarden)を使い、すべてのログイン情報を整理しました。
そして共有キー(マスターパスワード)は、紙に書いて金庫へ、USBメモリにも保存して二重管理に。
娘には「この紙とUSBがあれば全部わかる」と伝えてあります。

口頭で伝えると忘れるし、ノートだけだと紛失が心配。2つ以上の方法で残しておくのが安心です。
エンディングノートにQRコード付契約一覧を添付
パスワード一覧や契約サービスの管理表を、Googleスプレッドシートにまとめました。
そのリンクをQRコードに変換してエンディングノートに貼ることで、家族がすぐに確認できます。
印刷した紙とデジタル、両方あることで、家族がどんな状況でも対応しやすくなります。
写真・SNS残す・削除判断 3基準で迷いを解消
思い出を残すか消すかは人それぞれ迷うポイントです。
私は以下の3つの基準で判断しました。
- 自分が他人に見られても困らないか
- 家族が見て不安になる内容ではないか
- 「見返したい」と思える内容か
写真やSNSは、残された家族にとって「あなたらしさ」を感じられる大切な記録にもなります。
整理は「捨てる作業」ではなく、「大切なものだけを未来に残す作業」だと思っています
まとめ:デジタル終活は今の安心と未来の思いやりを両立
紙の整理と違って、見えにくく手つかずになりやすいのがデジタル情報です。
でも、スマホやSNS、写真、ログイン情報などは、自分にとっても家族にとっても大切な資産。
デジタル終活は、「今の自分が安心して暮らすため」と「未来の家族が困らないため」の両方に役立つ、思いやりの行動です。
今日から少しずつでも進めていきましょう。
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