「家のことは自分がわかっていれば大丈夫」と思っていませんか?
でも、急に家族が対応しなければならないとき、合鍵や契約先の情報がどこにあるかわからず困ってしまうケースは意外と多いんです。
とくに60代以降は、少しずつ暮らしの情報を見える形に残しておくことが、家族の安心にもつながります。
この記事では、エンディングノートを使って家の情報を整理する具体的な方法を、わかりやすくご紹介しています。
- 家族が困らないための情報整理の考え方
- エンディングノートに書くべき家の情報の具体例
- 無理なく続けられるエンディングノートの使い方
- 家族との情報共有で気をつけたいポイント
家の情報を整理していないと子供が困る理由
ふだんは意識していなくても、いざというときに家の情報がわからず、家族が困る場面は意外と多いものです。
とくに合鍵や契約先など、日常で当たり前に扱っていた情報こそ、きちんと残しておかないと手続きが止まってしまうことがあります。
合鍵や契約先がわからず手続きが止まるケースがある
私がエンディングノートを意識するようになったのは、友人の体験がきっかけでした。
急な入院時、家の合鍵の場所がわからず、ご家族が立ち入りに時間がかかってしまったそうです。
また、電気やガスなどの契約先が不明で、止める手続きにも手間取ったと聞きました。
普段は頭の中で覚えている情報ほど、紙に残していないと伝わらないのだと実感しました。

私自身も、Wi-Fiの契約内容や収納サービスの解約先など、娘から「分からない」と聞かれてハッとしたことがあります。
情報が散乱していると家族の負担が大きくなる

通帳は引き出し、保険はタンス、メモは冷蔵庫の裏…。
そんなふうに情報があちこちに散らばっていると、探すのに時間がかかり、精神的な負担も大きくなります。
探す手間、探しても見つからない不安、間違ってしまうリスクなどが重なり、家族にとって大きなストレスになります。
とくに遠方に住む子どもにとっては、なおさら情報が手に入りにくいものです。
- どこに何があるかわからず家の中を探す時間がかかる
- 解約・変更手続きが遅れ、サービスの二重請求が発生
- 自分の判断で進めていいのか不安が残る
大きな準備は必要ありません。
まずは家に関する暮らし情報を、小さくまとめるところから始めてみましょう。
家の情報をエンディングノートで整理するための考え方
エンディングノートというと、
「全部書かないといけない」
「難しそう」
というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
でも実際は、家の暮らしに関する情報だけに絞って書くことで、無理なく始めることができます。
この章では、気負わずに続けられる整理の考え方をご紹介します。
暮らし情報だけに絞って書くことで負担を減らす
最初から
- 財産
- 契約内容
- 希望の内容
などをすべて書こうとすると、時間も気力も足りなくなってしまいます。
だからこそ、暮らしの中の情報だけに絞って整理することをおすすめします。
たとえば合鍵の保管場所、ガス会社の連絡先、Wi-Fiの契約情報など。
生活に直結していて、かつ家族が困りそうな情報を優先することで、必要な整理がグッと進みます。

私も「合鍵とWi-Fiだけでも」と書き出したことで、「これも書いておこう」と自然に増やせました。
最初から全部を書こうとせず、身近な暮らし情報に絞ることが、書き進めやすさのコツです。
このような進め方を含めて、全体の流れを知っておきたい方はこちらも参考になります。
家族が一目でわかる形でまとめることを意識する
大切なのは、見やすく・わかりやすくまとめることです。
自分だけがわかるメモではなく、誰が見てもすぐ理解できる形にするのがポイント。
たとえば、
- 「場所」
- 「用途」
- 「連絡先」
などを1行ずつにして、一覧表のように整理するだけでも見やすくなります。
- 場所や連絡先は簡潔に1行で書く
- 情報のジャンルごとに分ける(鍵/契約/修理など)
- 「これは見てほしい」と思う順に書く
書き方に正解はありません。
「娘が見たときに迷わないかな?」という視点で見直すだけで、自然と整理の形が見えてきます。
エンディングノートに書くべき家の情報の具体例

いざエンディングノートに家の情報を書こうとしても、「何をどこまで書けばいいの?」と悩んでしまうことがありますよね。
この章では、私自身が実際にまとめてみて「書いてよかった」と感じた家まわりの情報を3つに分けてご紹介します。
合鍵の保管場所とスペアキーの有無を明記する
合鍵の管理は、家族が一番困るポイントのひとつです。
どこにあるのか、誰が持っているのか、予備はあるのか。
この情報があるだけで、万が一のときの対応がとてもスムーズになります。
たとえば、
「玄関横の引き出し」
「〇〇さん宅に1本あり」
「非常用は物置の右奥」
といったふうに、具体的な保管場所や本数も一緒に書いておくと安心です。

私は「犬の散歩用ポーチに1本入ってる」と書きました。娘から「助かった〜」と言われて、書いておいてよかったと感じました。
電気・ガス・水道など生活に関わる契約先と連絡先を整理
生活インフラに関する情報も、とても大切です。
特に、どの会社と契約しているか、解約や問い合わせをする際の連絡先を一緒に書いておくと、手続きがスムーズに進みます。
一覧形式にしておくと、よりわかりやすくなります。
- 電気:〇〇電力(お客様番号:xxxx、連絡先:0120-xxx-xxx)
- ガス:△△ガス(メーター場所:外壁東側)
- 水道:市の水道課(電話番号:xxx-xxx-xxxx)
複雑な情報でなくても大丈夫。
「この紙を見ればわかる」という安心感を家族に残せるだけでも、十分意味があります。
家のローンや火災保険など管理が必要なポイントを記載
家に関する情報は、鍵や契約だけでなく、管理の視点でも見ておくと安心です。
たとえば、まだ支払いが残っているローンや、加入中の火災保険など。
「何の書類が、どこにあるか」まで記しておくだけでも、探す手間がグッと減ります。
書類の中身までは書かなくても、「この棚にまとめてあるよ」といったメモだけでも、立派な情報です。

私は「納戸の青いファイルにまとめてあります」と書いて、娘に見せておきました。それだけで気持ちがラクになったそうです。
家の情報を無理なく整理できるエンディングノートの使い方
「きちんと整理したいけど、何日もかけて書くのはちょっと大変…」
そんなふうに感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、書き方や使い方を工夫すれば、家の情報もムリなく少しずつ整理できます。
1項目1行で書けるライト版エンディングノートを活用する
たくさんの欄があるノートを見ると、「全部埋めなきゃ」と気が重くなってしまいますよね。
そんなときは、ライト版エンディングノートのように、必要な項目だけを抜き出して書けるものを使うのがおすすめです。
1行ずつ、「項目:内容」というシンプルな形式なら、気軽に始めやすく、あとで見返すのもラクになります。
- 合鍵:テレビ台の引き出し内、赤い箱
- Wi-Fi:ルーター裏面に記載あり
- 電気:〇〇電力、契約番号は通帳裏のメモ
「全部書く」のではなく、「必要なところだけ」と決めると、続けやすくなります。
紙とデジタルを組み合わせて更新しやすい仕組みにする
紙だけではすぐに情報が古くなってしまう…。
そんな不安がある方は、紙とデジタルを組み合わせる方法もおすすめです。
たとえば、主要な項目は紙のノートに書き、変更の多いものはスマホのメモやクラウドに控えておく、といったスタイル。
「変更があったときは、紙にも反映しておく」というルールを決めておけば、どちらも使いやすく保てます。

私はWi-Fiや契約アプリのパスワードだけ、スマホのロックメモに書いてあります。ノートには「スマホに記録」とだけ記載しておきました。
週1回3分ルールで少しずつ書き足す習慣を持つ
「よし、今日1時間でまとめよう!」と思っても、なかなか続かないのが現実です。
だからこそ、週に1回、3分だけ書くという小さな習慣にすると、無理なく続けられます。
おすすめは、曜日を決めたり、紅茶を飲む時間にメモしたりすること。
「暮らしの中に組み込む」ことが、継続のカギになります。

私は金曜の朝、天気がいい日だけ書くことにしています。毎週じゃなくてもOK、と決めることで気がラクになりました。
家族に安心を伝えるための情報共有の工夫
ノートにしっかりまとめても、それが家族に届かなければ意味がありません。
情報を
「どう伝えるか」
「どこにあるか」
がわかるだけでも、家族の安心につながります。
この章では、家族との共有をスムーズにするためのちょっとした工夫をご紹介します。
保管場所だけ家族に伝えておくと見つけやすい
エンディングノートを全部見せるのはちょっと…という方でも、保管場所だけ伝えておくなら気軽にできます。
たとえば、
「キッチンの棚にある黄色いファイル」
「電話台の引き出しの奥」
など。
「何かあったらここを見てね」と一言添えるだけで、家族は安心できます。

私は「棚の右側に白い封筒があるよ」とだけ娘に伝えました。中身はまだ途中でも、それだけで気がラクになりました。
内容を伝えることも大切ですが、ノートの置き場所が家族にわかるようにしておくとより安心です。
保管場所の候補や、見つけやすくする工夫を紹介した記事もありますので、参考にしてみてください。
娘や息子と一緒に内容を見直して最新の状態を保つ
暮らしの情報は少しずつ変わっていくもの。
見直しも、「一人でやらなきゃ」と思わず、家族と一緒に確認する時間にしてみてはいかがでしょうか。
年に一度でも、「最近なにか変わった?」と聞きながら、少しずつ更新するのがおすすめです。
- お盆や年末年始など、家族が集まるタイミング
- 引越しや契約変更など、暮らしの変化があったとき
- 誕生日などの節目の会話の中でさりげなく
完璧じゃなくても、「一緒に整えている」という気持ちの共有が、家族にとって何よりの支えになります。
まとめ:家の情報整理はエンディングノートで暮らしメモ感覚で始める
家の情報を整理すると聞くと、「なんだか大変そう」と感じるかもしれません。
でも実際には、合鍵や契約先など、身近なことから1行ずつ書き出すだけでも、家族の安心につながります。
合鍵や契約先を最低限まとめるだけでも家族は助かる
たとえ数項目だけでも、情報がまとまっていると、家族の行動がスムーズになります。
「どこにあるか」
「何をしていたか」
がわかるだけで、迷いが減り、心にもゆとりが生まれます。
特に遠方に住む子どもたちにとっては、小さな情報でも大きな助けになります。

私はWi-FiのIDと合鍵の場所を1枚の紙にまとめて「ここにあるよ」と伝えました。それだけで娘から「安心した」と言われました。
完璧を目指さずできるところから始めることが続けるコツ
すべてを完璧に書く必要はありません。
「ここだけは伝えておきたい」情報からで十分なんです。
無理のないペースで、気になったときに1行書く。
それが、暮らしの記録となり、やがて大切な家族メモになっていきます。
- 合鍵の場所や持ち主を1行でメモ
- 電気・ガスなどの契約会社を一覧に
- 保管場所だけでも家族に伝える
まずは、思いついたことからで大丈夫。
暮らしの中の「今ここにある情報」を、そっとメモしておくことが、家族への思いやりにつながります。